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経営者目線の旅館改修



経営者目線の旅館改修


旅館改修打合せ風景

改修費を“コスト”ではなく“投資”として考える

旅館を改修しようと考えたとき、
「できるだけ費用を抑えたい」
そう考えるのは当然のことだと思います。
 
しかし、旅館改修は単なる修繕ではありません。これから10年、20年と旅館を続けていくために、どこにお金をかけ、どこにはかけないのか。その判断も、旅館経営の一つです。
 
大切なのは、「いくらかかるか」だけではなく、「その改修によって、旅館がどう変わるのか」という視点です。


 
01|「古くなったから直す」だけが旅館改修ではありません

設備が古くなった。
畳や壁が傷んできた。
水回りが使いにくくなった。
 
もちろん、こうした修繕も必要です。
しかし、同じ1,000万円を使うとしても、どこに使うかによって、その後の旅館は大きく変わります。
 
例えば、


古くなった20室を少しずつきれいにする


3〜4室を思い切って上位客室へ改修する


食事処を個室化する


玄関・ロビーを旅館の印象を伝える空間へ変える


客室の水回りを改善する


どれも「旅館改修」ですが、目的は違います。経営者として考えたいのは、「今、一番お金をかけるべき場所はどこなのか」ということです。
 
before/after


 
02|すべてを一度に改修する必要はありません

旅館全体を見ると、
「客室も古い」
「ロビーも直したい」
「食事処も変えたい」
「水回りも気になる」
と、改修したい場所が次々と出てきます。
 
しかし、小さな旅館ほど、すべてを一度に改修する必要はないと私は考えています。
 
例えば、


第1期 モデルとなる客室をつくる

第2期 反応を見ながら他の客室へ展開する

第3期 玄関・ロビーを整える

第4期 食事処や水回りを改善する


という進め方もできます。
 
大切なのは、「全部やるか、何もしないか」ではありません。
今の旅館にとって効果の大きいところから、順番に変えていく。
これも経営者目線の旅館改修です。
 
営業しながらの旅館改修


 
03|「20室を少しずつ」か、「3室を大きく変える」か

例えば、20室ある旅館で客室改修を考えるとします。


A案

20室すべてを少しずつ改修する


B案

3室だけを、今までにない上位客室へ改修する


どちらが正解とは限りません。
 
旅館の客層、稼働率、現在の客単価、立地、競合旅館などによって答えは変わります。
 
ただし、限られた予算の場合、「広く薄く使う」より、「選んだ場所に集中して使う」という考え方が有効な場合があります。


3室の客単価を上げる。


その客室を旅館の新しい象徴にする。


写真をホームページや予約サイトで見せる。


お客様の反応を見る。


そして、結果が良ければ次の客室へ展開する。


旅館改修を一度きりの工事ではなく、「小さく始めて、育てていく」という考え方です。
 
図解


 
04|売上に直接つながらない改修も必要です

一方で、旅館改修をすべて「売上が上がるかどうか」だけで判断するのも危険です。
 
例えば、老朽化した設備/漏水対策/空調設備/給排水設備/防水/安全性に関わる部分/スタッフの負担が大きい動線などは、お客様からは見えにくい部分です。
 
客単価を直接上げる改修ではなくても、旅館をこれからも営業していくために必要な投資があります。
 
だからこそ、改修項目を


① 売上・客単価につながる投資


② お客様の満足度を高める投資


③ 運営を改善する投資


④ 建物を維持するための投資


に分けて考えることをおすすめします。
 
図解


 
05|「お客様から見える場所」への投資を考える

同じ改修費でも、お客様が感じる価値には差があります。
 
例えば、客室に入った瞬間の印象/窓からの景色/ベッドや布団まわり/洗面・トイレ/浴室/食事をする空間/玄関に入った瞬間の雰囲気
 
こうした場所は、宿泊体験に直接影響します。そして現在は、その体験が口コミや写真、SNS、予約サイトを通じて、次のお客様にも伝わります。
 
だからこそ、「工事費を均等に配分する」のではなく、「お客様が価値を感じるところへ重点的に使う」という考え方も必要です。
 
客室改修事例


 
06|客単価を上げるなら、「理由」が必要です

「改修したから宿泊料金を上げよう」だけでは、お客様に選んでもらえるとは限りません。
 
重要なのは、値上げした金額以上の価値を、お客様が感じられるかどうか。
 
例えば、
「以前とほとんど同じ客室が少しきれいになった」よりも、


「地域らしさを感じる客室になった」


「ゆっくり過ごせる広い客室になった」


「温泉付き客室になった」


「夫婦で快適に過ごせる水回りになった」というように、


“この客室を選びたい理由”をつくることが重要です。
 
改修によって新しい宿泊価値をつくり、その価値に合った宿泊料金を設定する。
 
そこまで考えて初めて、改修が経営につながります。


 
07|「工事費」だけで判断しない

旅館改修の見積書を見ると、どうしても工事費の大きさに目が行きます。
 
しかし、経営者としては、工事費だけではなく、その後の数字を見ることも大切です。
 
例えば、
現在の客単価

改修後に目指す客単価
現在の稼働率

改修後に目指す稼働率
現在の売上

改修後に目指す売上
 
そして、その改修に投じた費用を、何年くらいで回収していくのか。
もちろん、旅館経営は数字だけでは判断できません。
 
しかし、「いくらかかるか」から、「何を生み出すために使うのか」へ。視点を変えることが大切だと思います。
 
図解


 
08|「今やらない」という判断も経営です

設計事務所に相談したからといって、すべて改修する必要はありません。
 
調べていく中で、


「ここはまだ使える」


「ここはあと5年待とう」


「今回は客室だけにしよう」


という結論になることもあります。
 
私は、それで良いと思っています。
限られた資金だからこそ、使うところと、使わないところを決める。これも重要な設計です。
 
旅館全体を見ながら、


「今やること」


「次にやること」


「まだやらないこと」


を整理していく。
 
その順番を考えることも、
旅館改修では大切です。


 
09|旅館改修は、これからの旅館経営を考えること

旅館改修というと、
「どんなデザインにするか」
という話になりがちです。
 
もちろんデザインも大切です。
しかし、その前に考えたいことがあります。


これから、どんなお客様に来てもらいたいのか。


どんな客室を選んでもらいたいのか。


どのくらいの宿泊料金を目指すのか。


5年後、10年後、
この旅館をどうしていきたいのか。


そこから逆算すると、
「今、どこを改修するべきなのか」
が少しずつ見えてきます。
 
だから私は、旅館改修は、建物を考えることだけではなく、

これからの旅館経営を考えることでもあると思っています。
 
旅館改修打合せ


 
10|小さな旅館だからこそ、使えるお金を大切に

大きな旅館のように、何億円もの改修を行う必要はありません。
小さな旅館には、小さな旅館に合った改修の方法があります。


全部を新しくするのではなく、
残すところは残す。
変えるところは、しっかり変える。


そして、
効果の大きいところから順番に。


限られた改修費を、単なる「コスト」で終わらせるのではなく、これからもお客様に選ばれ続ける旅館をつくるための「投資」にする。
 
そのために、設計事務所として建物だけを見るのではなく、旅館のこれからを、経営者の方と一緒に考えること。それも、ATELIER15の旅館改修の仕事だと考えています。
 
 

改修費を“コスト”ではなく“投資”として考える

旅館を改修しようと考えたとき、
「できるだけ費用を抑えたい」
そう考えるのは当然のことだと思います。
 
しかし、旅館改修は単なる修繕ではありません。
これから10年、20年と旅館を続けていくために、

どこにお金をかけ、どこにはかけないのか。
その判断も、旅館経営の一つです。
 
大切なのは、
「いくらかかるか」だけではなく、

「その改修によって、旅館がどう変わるのか」
という視点です。


 
01|「古くなったから直す」だけが旅館改修ではありません

設備が古くなった。

畳や壁が傷んできた。

水回りが使いにくくなった。
 
もちろん、こうした修繕も必要です。
しかし、同じ1,000万円を使うとしても、
どこに使うかによって、その後の旅館は大きく変わります。
 
例えば、


  • 古くなった20室を少しずつきれいにする


  • 3〜4室を思い切って上位客室へ改修する


  • 食事処を個室化する


  • 玄関・ロビーを旅館の印象を伝える空間へ変える


  • 客室の水回りを改善する


どれも「旅館改修」ですが、目的は違います。
経営者として考えたいのは、
「今、一番お金をかけるべき場所はどこなのか」
ということです。
 
before/after

 


 
02|すべてを一度に改修する必要はありません

旅館全体を見ると、
「客室も古い」

「ロビーも直したい」

「食事処も変えたい」

「水回りも気になる」
と、改修したい場所が次々と出てきます。
 
しかし、小さな旅館ほど、
すべてを一度に改修する必要はないと私は考えています。
 
例えば、


第1期
モデルとなる客室をつくる



第2期
反応を見ながら他の客室へ展開する



第3期
玄関・ロビーを整える



第4期
食事処や水回りを改善する


という進め方もできます。
 
大切なのは、
「全部やるか、何もしないか」ではありません。
今の旅館にとって効果の大きいところから、順番に変えていく。
これも経営者目線の旅館改修です。
 
営業しながらの旅館改修

 


 
03|「20室を少しずつ」か、「3室を大きく変える」か

例えば、20室ある旅館で客室改修を考えるとします。

 


A案

20室すべてを少しずつ改修する


B案

3室だけを、今までにない上位客室へ改修する


どちらが正解とは限りません。
 
旅館の客層、稼働率、現在の客単価、
立地、競合旅館などによって答えは変わります。
 
ただし、限られた予算の場合、
「広く薄く使う」より、「選んだ場所に集中して使う」
という考え方が有効な場合があります。
 
3室の客単価を上げる。

その客室を旅館の新しい象徴にする。

写真をホームページや予約サイトで見せる。

お客様の反応を見る。
 
そして、結果が良ければ次の客室へ展開する。
旅館改修を一度きりの工事ではなく、
「小さく始めて、育てていく」
という考え方です。
 
図解

 


 
04|売上に直接つながらない改修も必要です

一方で、
旅館改修をすべて「売上が上がるかどうか」
だけで判断するのも危険です。
 
例えば、
老朽化した設備/漏水対策/空調設備/給排水設備/防水
安全性に関わる部分/スタッフの負担が大きい動線
などは、お客様からは見えにくい部分です。
 
客単価を直接上げる改修ではなくても、
旅館をこれからも営業していくために必要な投資
があります。
 
だからこそ、改修項目を


① 売上・客単価につながる投資


② お客様の満足度を高める投資


③ 運営を改善する投資


④ 建物を維持するための投資


に分けて考えることをおすすめします。
 
図解

 


 
05|「お客様から見える場所」への投資を考える

同じ改修費でも、
お客様が感じる価値には差があります。
 
例えば、
客室に入った瞬間の印象/窓からの景色
ベッドや布団まわり/洗面・トイレ/浴室
食事をする空間/玄関に入った瞬間の雰囲気
 
こうした場所は、宿泊体験に直接影響します。
そして現在は、その体験が
口コミや写真、SNS、予約サイトを通じて、
次のお客様にも伝わります。
 
だからこそ、
「工事費を均等に配分する」のではなく、

「お客様が価値を感じるところへ重点的に使う」
という考え方も必要です。
 
客室改修事例

 


 
06|客単価を上げるなら、「理由」が必要です

「改修したから宿泊料金を上げよう」
だけでは、お客様に選んでもらえるとは限りません。
 
重要なのは、
値上げした金額以上の価値を、
お客様が感じられるかどうか。
 
例えば、
「以前とほとんど同じ客室が少しきれいになった」
よりも、
「地域らしさを感じる客室になった」

「ゆっくり過ごせる広い客室になった」

「温泉付き客室になった」

「夫婦で快適に過ごせる水回りになった」
というように、
 
“この客室を選びたい理由”をつくることが重要です。
改修によって新しい宿泊価値をつくり、

その価値に合った宿泊料金を設定する。
 
そこまで考えて初めて、
改修が経営につながります。


 
07|「工事費」だけで判断しない

旅館改修の見積書を見ると、
どうしても工事費の大きさに目が行きます。
 
しかし、経営者としては、
工事費だけではなく、その後の数字を見ること
も大切です。
 
例えば、
現在の客単価



改修後に目指す客単価
現在の稼働率



改修後に目指す稼働率
現在の売上



改修後に目指す売上
 
そして、
その改修に投じた費用を、何年くらいで回収していくのか。
もちろん、旅館経営は数字だけでは判断できません。
 
しかし、
「いくらかかるか」から、

「何を生み出すために使うのか」へ。
視点を変えることが大切だと思います。
 
図解

 


 
08|「今やらない」という判断も経営です

設計事務所に相談したからといって、
すべて改修する必要はありません。
 
調べていく中で、
「ここはまだ使える」

「ここはあと5年待とう」

「今回は客室だけにしよう」
という結論になることもあります。
 
私は、それで良いと思っています。
限られた資金だからこそ、
使うところと、使わないところを決める。
これも重要な設計です。
 
旅館全体を見ながら、
「今やること」

「次にやること」

「まだやらないこと」
を整理していく。
 
その順番を考えることも、旅館改修では大切です。


 
09|旅館改修は、これからの旅館経営を考えること

旅館改修というと、
「どんなデザインにするか」
という話になりがちです。
 
もちろんデザインも大切です。
しかし、その前に考えたいことがあります。
これから、どんなお客様に来てもらいたいのか。
どんな客室を選んでもらいたいのか。
どのくらいの宿泊料金を目指すのか。
5年後、10年後、この旅館をどうしていきたいのか。
 
そこから逆算すると、
「今、どこを改修するべきなのか」
が少しずつ見えてきます。
 
だから私は、
旅館改修は、建物を考えることだけではなく、

これからの旅館経営を考えることでもある
と思っています。
 
旅館改修打合せ

 


 
10|小さな旅館だからこそ、使えるお金を大切に

大きな旅館のように、何億円もの改修を行う必要はありません。
小さな旅館には、小さな旅館に合った改修の方法があります。
 
全部を新しくするのではなく、
残すところは残す。
変えるところは、しっかり変える。
 
そして、効果の大きいところから順番に。
限られた改修費を、
単なる「コスト」で終わらせるのではなく、
これからもお客様に選ばれ続ける旅館をつくるための「投資」にする。
 
そのために、設計事務所として建物だけを見るのではなく、
旅館のこれからを、経営者の方と一緒に考えること。
それも、
ATELIER15の旅館改修の仕事だと考えています。
 
 


 
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